高石市立高南中学校　学校いじめ防止基本方針

（令和6年4月　改訂）

第１章　いじめ防止等のための基本方針

１．基本理念

　　 いじめは、人として決して許されない行為であり、学校は子どもたち一人ひとりの小さな変化も見逃さず、迅速に対応することが必要となる。同時に「いじめはどの学校でも、どの学級でも、どの子にも起こり得る」との基本的な認識に立つことが必要である。したがって、本校では、すべての生徒がいじめを行わず、及び他の生徒に対して行われるいじめを認識しながら、これを放置することがないようにするため、いじめが生徒の心身に及ぼす影響その他のいじめの問題に関する生徒の理解を深めることを旨として、いじめ防止等のための対策を行う。

２．いじめの定義

「いじめ」とは、当該生徒と一定の人的関係にある他の生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為（インターネットを通じて行われるものを含む。）であって、当該行為の対象となった生徒が心身の苦痛を感じているものをいう。

　３．学校及び学校の教職員の責務

　　 いじめが行われず、すべての生徒が安心して学習その他の活動に取り組むことができるように、保護者をはじめ関係者との連携を図りながら、学校全体でいじめの防止と早期発見に取り組むとともに、いじめが疑われる場合は、適切かつ迅速にこれに対処し、さらに再発防止に努める。

４．いじめ防止のための組織

　(1)名称

　　　　「いじめ対策委員会」

(2) 構成員

　　　校長、教頭、首席、指導教諭、生徒指導主事、生徒指導学年担当、各学年主任、

養護教諭、人権教育担当教員、スクールカウンセラー、関係教職員

　(3) 役割

ア　学校いじめ防止基本方針の策定・見直し

イ　いじめの未然防止

ウ　いじめ事案の対応

５．年間計画

　　　

本基本方針に沿って、以下のとおり実施する。

高南中学校　いじめ防止年間計画
	１年	２年	３年	学校全体
4月 ５月 ６月 7月	保護者への相談窓口周知 生徒への相談窓口周知 家庭訪問 （家庭、友人関係等把握） オープンスクール （参観と保護者・地域の方からの意見聴取等） 校外学習 （学級づくり） 教員相互授業参観 （生徒の主体的活動を取り入れた授業改善） ⓵学校いじめアンケートの実施 保護者懇談会 （家庭での様子の把握） 生徒会いじめアンケートの実施 →（文化祭で結果等報告）	保護者への相談窓口周知 生徒への相談窓口周知 家庭訪問 （家庭、友人関係等把握） オープンスクール （参観と保護者・地域の方からの意見聴取等） 宿泊学習 （学級づくり） 教員相互授業参観 （生徒の主体的活動を取り入れた授業改善） ⓵学校いじめアンケートの実施 保護者懇談会 （家庭での様子の把握） 生徒会いじめアンケートの実施 →（文化祭で結果等報告）	保護者への相談窓口周知 生徒への相談窓口周知 家庭訪問 （家庭、友人関係等把握） オープンスクール （参観と保護者・地域の方からの意見聴取等） 修学旅行 （学級づくり） 教員相互授業参観 （生徒の主体的活動を取り入れた授業改善） ⓵学校いじめアンケートの実施 保護者懇談会 （家庭での様子の把握） 生徒会いじめアンケートの実施 →（文化祭で結果等報告）	第１回　いじめ対策委員会（年間計画の確認、問題行動調査結果を共有） 学校通信等で「学校いじめ防止基本方針」の趣旨説明 教職員間による公開授業週間（主体的活動とわかる授業づくりの推進） アンケート結果の検証
８９月 10月 11月 12月	�@生活アンケートの実施 教育相談期間 教員相互授業参観 オープンスクール 文化祭（学級づくり） ⓶学校いじめアンケートの実施 保護者懇談会 （家庭での様子の把握）	�@生活アンケートの実施 教育相談期間 教員相互授業参観 オープンスクール 文化祭（学級づくり） ⓶学校いじめアンケートの実施 保護者懇談会 （家庭での様子の把握）	�@生活アンケートの実施 教育相談期間 教員相互授業参観 オープンスクール 文化祭（学級づくり） ⓶学校いじめアンケートの実施 保護者懇談会 （家庭での様子の把握、進路について）	教育相談週間 教職員間による公開授業週間 アンケート結果の検証 第2回委員会（状況報告と取組みの検証）
1月 2月 3月	�A生活アンケートの実施 教育相談期間 オープンスクール 保護者懇談会 （家庭での様子の把握） ⓷学校いじめアンケートの実施	�A生活アンケートの実施 教育相談期間 職場体験学習 オープンスクール 保護者懇談会 （家庭での様子の把握） ⓷学校いじめアンケートの実施	�A生活アンケートの実施 教育相談期間 オープンスクール 保護者懇談会 （家庭での様子の把握、進路について） ⓷学校いじめアンケートの実施	教育相談週間 第３回委員会（年間の取組みの検証・次年度の検討） アンケート結果の検証

第２章　いじめの未然防止

学校は、人権尊重の精神に基づく教育活動を展開するとともに、生徒たちによる主体的ないじめ防止活動を推進する。

１． いじめ防止のための学校体制　

２．いじめの防止のための措置

　　(1)　平素からいじめについての共通理解を図るため、教職員に対しては、いじめに関して定期的に職員会議・生徒指導部会等で実態把握や対応等を行い、全ての生徒がいじめに巻き込まれる可能性があるものとして、生徒全員を対象に事前のはたらきかけ、未然防止の取り組みを行うことが最も合理的で効果的な対策であるという共通認識のもとに取り組んでいくよう周知する。

生徒に対しては、いじめの定義やいじめに対する学校・教師の考え方、対応などを様々な機会に指導し、周知・徹底する。

(2)　生徒の豊かな情操と道徳心を培い、規範意識や集団の在り方等についての学習を行うことがいじめ防止に重要な役割を果たすという観点から、友人関係、集団づくり、社会性などを育む様々な取り組みを行わせる。その活動を通じて生徒自らが人と関わることの喜びや大切さに気付いていくこと、自己有用感や自己肯定感を高めていくことなどができるように取り組ませる。

(3)　いじめが生まれる背景を踏まえ、自己有用感や自己肯定感を育む取組みとして、　指導上の注意としては

�@分かりやすい授業づくりを進めるために授業改善を目的とした校内研修を行い、生徒一人ひとりが活躍できる場面の多い授業作りに職員一丸となって取り組む体制を整える。

　　　�A生徒一人ひとりが活躍できる集団づくりを進めるために、生徒同士がお互いに協力し合い、自分たちで作り上げる活動を行う。（生徒会主導や有志生徒実行委員会形式の取り組み等）

(4)　生徒が自らいじめについて学び、取り組む方法として、自己有用感を高める授業や行事を計画する。

第３章　いじめの早期発見

１．いじめの早期発見のための措置

　(1) いじめの実態把握

いじめを早期に発見するため、生徒に対する定期的な調査・教育相談を実施する。

�@ 各学期の定期的なアンケートを年3回、長期休業明けに年２回及び生徒会による「いじめアンケート」を１学期末に実施し、文化祭で結果の報告等を行う。

定期的なアンケートの内容については、自ら発信できる項目だけではなく、心理的負担（子どものストレス）の程度を把握する項目を取り入れている。さらに外部からの専門家（SC、SSW）の活用を行い、客観的な視点や見立てから、いじめ対策委員会で情報の共有を行い、早期発見・対応に努めていく。

�A 定期的な教育相談（個人面談）としては、２，３学期始めに１週間の個人面談期間を設けている。担任と生徒一人ひとりが面談を行い、悩みなどの相談や聞き取りを行う。

�B 日常の観察として、生徒一人ひとりの動向について生徒指導部会や学年会議などで生徒の情報を共有し、不審な行動やいじめのサインなどが無いかを確認する。

(２) 保護者と連携して生徒を見守るためオープンスクールにおいて保護者からのアンケ

ート・意見回収を行い、情報の収集に努める。

２．児童生徒、その保護者、教職員が、抵抗なくいじめに関して相談できる相談体制を整備する。

(1)　いじめ等の相談窓口の設置については、学校案内「高南中ナビ」や学校通信に明記

　し周知するとともに、いじめ対策委員会のメンバー（校長、教頭、首席、指導教諭、

　生徒指導主事、養護教諭、生徒指導主任、各学年主任）に加え、スクールカウンセラ

ー、全職員が相談を受け付けることとする。

(2)　外部からの専門家の活用については、家庭児童相談員、スクールソーシャルワーカ

ー、子ども家庭センター、警察サポートセンター、警察署少年係などと連携し、協力

体制を取ることとする。

第４章　いじめに対する対応

　１．いじめ発見・通報を受けたときの対応

　　(1) 　いじめの疑いがある場合、ささいな兆候であっても、いじめの疑いがある行為には、早い段階から的確に関わる。

　　(2) 　教職員は一人で抱え込まず、速やかに学年主任や分掌長等に報告し、いじめの防止等の対策のための組織（いじめ対策委員会）と情報を共有する。その後は、当該組織が中心となって、速やかに関係生徒から事情を聴き取るなどして、いじめの事実の有無の確認を行う。

　　(3) 　事実確認の結果、いじめが認知された場合、管理職が教育委員会に報告し、相談する。

　　(4)　 被害・加害の保護者への連絡については、家庭訪問等により直接会って、より丁寧に行う。

　　(5) 　いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものと認められるときは、いじめられている生徒を徹底して守り通すという観点から、所轄警察署と相談し、対応方針を検討する。

なお、生徒の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは、直ちに所轄警察署に通報し、適切に援助を求める。

　２．いじめられた児童生徒又はその保護者への支援

　　　　いじめられた生徒から事実関係の聴取を行い、その後、落ち着いて教育を受けられる環境を確保し、状況に応じて、スクールカウンセラーの協力を得て対応を行う。

　３．いじめた生徒への指導又はその保護者への助言

　　　　速やかにいじめを止めさせた上で、いじめたとされる生徒から事実関係の聴取を行う。事実関係を聴取した後は、迅速にいじめた生徒の保護者と連携し、再発防止の協力を求めるとともに、継続的な助言を行う。状況に応じて、スクールカウンセラーの協力を得て対応を行う。

　４．いじめが起きた集団への働きかけ

　　(1)　いじめを見ていたり、同調していたりした生徒に対しても、自分の問題として捉えさせる。そのため、いじめを受けた者の立場になって、そのつらさや悔しさについて考えさせ、相手の心の悩みへの共感性を育てることを通じて、行動の変容につなげる。

すべての教職員が「いじめは絶対に許さない」「いじめを見聞きしたら、必ず先生に知らせることがいじめをなくすことにつながる」ということを生徒に徹底して伝える。

　　(2)　いじめが認知された際、被害・加害の生徒たちだけの問題とせず、学校の課題として解決を図る。全ての生徒が、互いを尊重し、認め合う集団づくりを進めるため、すべての教職員が支援し、生徒が他者と関わる中で、自らのよさを発揮しながら学校生活を安心してすごせるよう努める。

５．ネット上のいじめへの対応

(1)　ネット上の不適切な書き込み、拡散行為等によるいじめ事象を認知した場合、まず学校として、問題の箇所を確認し、速やかに市教育委員会に報告するとともに、いじめ対策委員会において対応を協議し、関係生徒からの聞き取り等の調査、生徒が被害にあった場合のケア等必要な措置を講ずる。

　　(2) 書き込みへの対応については、削除要請等、被害にあった生徒の意向を尊重するとともに、当該生徒・保護者の精神的ケアに努める。また、書き込みの削除や書き込んだ者への対応については、必要に応じて、警察署等外部機関と連携して対応する。

スクリーニングについて

〜未然防止、早期発見・早期対応〜

スクリーニングとは、全ての生徒の状況を短時間で確認するとともに、生徒にとって必要な支援の方向性を決定し、暫定的に振り分ける手法。客観的データと複数人による多角的な議論が重要である。全ての生徒を対象として検討を行い、気になる事例を早期に複数メンバーで洗い出すスクリーニング会議を実施し、支援・対応策を検討するためのケース会議の実施を行う。アセスメント（見立て）とは異なる。

目的

児童虐待、いじめ、貧困の問題など表面化しにくい問題の早期発見、早期対応であり、習慣的に行うことで、教員にとっては生徒理解が深まり、抱え込みの解消、チーム力の向上につながる。

教員自身で抱え込んでしまうという課題に対して、スクリーニングの実施により、方向性を見出したり、複数人の意見を聞いたりすることで状況の改善につなげる。また過程においてSSWを効果的に活用し、チーム組織をより円滑に機能させる。

現状

・教員の主観的な判断により、気になった生徒への対応（SCやSSWに相談するなど）を検討する場合が多い。

・教員によって気になる生徒の基準がばらばらであり、同じ生徒の状況を把握していても、教員が異なれば同一の対応が検討されるとは限らない。教員個々の経験や知識に左右されている実態とリスクがある。

・全ての生徒を同一の基準で確認していないため、個々の支援が必要な生徒が埋もれてしまい、生徒の家庭環境（隠れた虐待など）をはじめ、学校生活では見えにくい課題を発見できていない可能性がある。

・気になる生徒でありながら対応の検討には至らないことがある。（共有のみされるものも含む。）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

変化の確認

各学期ごとに同様の手順でスクリーニング会議を実施し、２回目以降は方向性を示し、生徒の支援のために動いているため、チェックを行い、現状の支援状況を確認する。

３学期には、１年間スクリーニングを実施して生徒の状況が好転したかどうかを確認し、支援のポイントの所在について議論を行い、情報を共有する。変化のなかった生徒に関しては支援の方向性を再検討し、次年度に向けて申し送るべき事項などを記載し、引き継ぐ。

高南中学校スクリーニングシート�@

内容項目

【本人の特性】（申し送り・教員記入）

欠席日数/保健室来校数（授業中）/保健室来校数（休み時間）/忘れ物・宿題/精神的に不安定・無気力傾向等

授業中の多動/不登校歴

【自分のこと】（生徒アンケート）

学校に来るのが楽しい

授業がよくわかる

授業に主体的に取り組む

みんなで何かするのは楽しい

仲のよい人から頼まれても正しくないことはことわる

みんなが仲よくなれるようにはたらきかけることができる

今の自分が好き

いろいろなよいところがある

【クラスでの自分】（生徒アンケート）

クラスの人といつも仲よくしている

クラスの人の役に立っていると感じる

クラスの人といっしょにいるとき、相手の気持ちを考えて行動する

クラスの人といっしょに活動するとき、相手のためにがまんすることができる

クラスの人から注意されたとき、相手の話しをすなおに聞くことができる

クラスの人から何かをしてもらったとき、相手にありがとうを言える

クラスの人とやくそくしたとき、相手とのやくそくを守ることができる

クラスの人のものを使うとき、相手に聞いてから使う

クラスの人がこまっているとき、相手を助けてあげることができる

クラスの人が仲間にはいりたそうにしているとき、さそってあげることができる

クラスの人が失敗をしたとき、はげますことができる

クラスの人が何かをうまくできたとき、「じょうずだね」とほめることができる

高南中学校スクリーニングシート�A（生活アンケート）

【学校生活について】

あなたは、悩んでいるなど、つらい思いをしていますか。

あなたのまわりで、悩んでいる人がいますか。

あなたは、自分のことを相談できる大人はいますか。

あなたは、自分のことを相談できる友達はいますか。

これからについて何か不安なことはありますか。

学校は楽しいですか。

【ストレスについて】

眠れない（寝つきが悪い、目が覚める）

気持ちが落ち着かないことがある

自分を責めることがある

物事（勉強など）に集中できない

食欲がない

頭やお腹が痛くなることが多い

家族と仲が良い

家族に自分の話をする時間がある

スマホやゲームを1日４時間以上さわる

まわりの人が自分のことをどう思っているのかが気になる

自分の感情を抑えることがある

※その他、「はい」と答えた答えた場合に、どのような悩みかや、悩んでいること、つらい思いをしていることについての自由記述欄あり